最新牧師コラムの記事一覧

06/25

 二十世紀の後半、私たちはようやくに、地球を一つの命として人類を運命共同体として捉えるようになりました。しかしパウロはそれを先取りしています。悪や暴力が存在する世界に神が求めるのは、全ての命が天地創造の時のようなすばらしい姿に立ち返ること、神は裁きたいのではなく生かしたいのだ、という考えです。
 イエス・キリストが救い主であるという信仰は、イエスが私たちの希望であるという信仰です。愛と赦しに生きたのは天高く座しておられる方ではなく、私たちと同じように、痛み、苦しみ、嘆き、怒りもした人間イエスです。イエスが私たちの罪を肩代わりしてくれたというよりも、愛と赦しという人間の可能性を具体的に示してくれたという希望の信仰です。

聖霊降臨後第3主日(A年 特定7)
 エレミヤ書 20章7~13節
 詩編 69編7~10, 15~17節
 ローマの信徒への手紙 5章15b~19節
 マタイによる福音書 10章(16~23), 24~33節

06/18

 通常は「権威」と訳されますがなぜか「権能」となっています。イエスが弟子に与えた権威は「汚れた霊」に対するもので、これはイエス自身の力でもありました。弟子たちが苦しむ人を助け悪と闘うことがイエスの望みです。弟子たちが仲間内で偉そうに振る舞ったり弱いものを困らせる時、イエスが失望し厳しく叱りつけたことを思い出す必要があります。少数意見は無視してもいいという多数派の驕り、偏った意見に従いながら自分は公平に正義を行っているという指導者の尊大さは、イエスから授けられた権威とは無縁の権力であり、それは利己心の現れです。原点は、人間の痛みに対する深い共感、痛みや悲しみに対する感受性、異なる立場の声に耳を傾ける謙虚さではないでしょうか。

聖霊降臨後第2主日 A年 特定6
 出エジプト記 19章2~8a節
 詩編 100編
 ローマの信徒への手紙 5章6~11節
 マタイによる福音書 9章35~10章8, (9~15)節

06/11

 コリントの教会には問題が多く、パウロはたびたび苦言を呈しています。しかし本当なら皆が自分の弱さを知って謙虚になり、各自の使命を自覚して欲しいと願っています。権威の目的は「壊す」ことではなく「造り上げる」ことだとパウロは語ります。不都合なものを排除するのではなく、ともに歩む仲間として互いに最善を尽くせるように権威が用いられる必要があります。それは患部を切り取る外科医ではなく免疫力の改善に務める内科医のような心と言えるでしょう。患者に傾聴し心とからだ全体の様子に配慮する名医のように、権威を与えられた者は偏りのない優れた観察者でなければなりません。そのようなリーダーであったパウロは、信徒たちにもそうあって欲しいと願っているのです。

三位一体主日・聖霊降臨後第1主日 A年
 創世記 1章1節~2章3節
 詩編 150編
 コリントの信徒への手紙二 13章(5~10), 11~13節
 マタイによる福音書 28章16~20節

05/28

 復活のイエスは弟子たちの目の前で天に昇って行った、と聖書は語ります。雲の彼方に消える姿を見上げて呆然とするのは当然でしょう。しかし天使たちは問いかけます。なぜ天を見上げているのか。イエスが地上を去ったからには残された者たちがイエスの仕事を引き受けるべきではないか。ただ再臨の時を待つのではなく、イエスの不在が意味するところをしっかりと受け止めるべきではないかと。肉体を伴ったイエスはもはやいないという現実は、教会がイエスの手足となり、耳や口となって働かなければならないことを意味しているはずです。とても代理はつとまりませんが、その働きの万分の一でも引き受けて担うことがイエス昇天後の教会の使命です。目に見えぬイエスが共にいると信じる信仰が今こそ問われています。

復活節第7主日(昇天後主日) A年
 使徒言行録 1章(1~7), 8~14節
 第47編
 ペトロの手紙一 4章12~19節
 ヨハネによる福音書 17章1~11節

05/21

 悪にもって悪を返さず善いことに熱心であれ。立派で正しい生活をなどできはしない、と考えるかもしれません。もちろん人間ですから欠点はあるはずです。それでも、職場や学校、地域で信頼され必要とされる存在となることはできるはずです。仕事ができるとか役に立つということではなく、皆に親しまれる存在と言えばいいでしょうか。有能でも尊大で怖い人がいます。親しみやすくても影で悪口を言いふらす人もいます。妬んで足を引いたり密かに弱い者いじめをしたり...。もし誰かに、あの人には嫌な思いをさせられたことがない、と言ってもらえるならどんなに素晴らしいでしょう。そして穏やかに希望について語ることができるなら、わたしたちは祝福を受け継ぐものとなることができるはずです。

復活節第6主日 A年
 使徒言行録 17章22~31節
 第148編7~14節
 ペトロの手紙一 3章8~18節
 ヨハネによる福音書 15章1~8節

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